オンコールにありがちなこと

訪問看護において、オンコールは看護師にとって負担が大きいと言われます。待機中は携帯電話を身から離せず、いつ着信音が鳴るか気になって夜も眠れないという看護師もいます。しかし、オンコールの着信があったとしても、必ずしも直ちに駆けつける必要はありません。オンコールの60パーセントは、電話対応で解決されているのです。つまり、オンコールで呼び出され実際に緊急出動するのは、オンコール全体のうち40パーセントにすぎません。

オンコールで最も多い内容は体調不良で、看護師が症状を聞いているうちに落ち着いてきて、電話だけで済むことが多いのです。また、夜中のオンコールでも、単なる質問や相談というケースが少なくありません。こうしたオンコールに対しては、当然ながら緊急出動は不要です。このほか、転倒や発作など一応訪問を検討した方が良さそうなオンコールが頻繁にあり、看護師は事情を聞いた上で出動の要否を判断しています。呼吸困難になって喀痰吸引等が必要な時は、速やかに出動しなければなりません。

特に、ターミナルケアを要する患者の場合は、緊急出動の頻度が高くなるでしょう。一方、精神疾患を抱える患者のオンコールは、不眠や不安を訴えるケースがほとんどで、電話で患者の話を聴くことが多くなります。ただし、その時の状態によっては、衝動的に自死に至ることもあるため、慎重な対応を求められます。患者本人が訪問を望む際は、できるだけ自宅を訪れることが望ましいでしょう。